運動生化学研究室  杉浦崇夫 教授
研究テーマ

 身体運動は、骨格筋の収縮なしには起こらない。骨格筋は、様々な刺激に対して、機能的・構造的変化を引き起こす。例えば、ウェイトトレーニングを行えば骨格筋は肥大し、逆に骨折などでギプス固定をすれば萎縮する。また、持久的なトレーニングを行えば、血液を供給するための毛細血管の数が増えたり、酸素を使ってエネルギーを産生する化学反応が改善する。さらには、発育や加齢に伴ってもそのような構造的・機能的変化は起こる。例えば、高齢になるにつれて動作は緩慢になり、大きな力を発揮することが困難になる。
 これまで、トレーニング、発育・加齢、不活動時などの骨格筋の変化に関して、骨格筋のモーターの一部であるミオシン蛋白質や代謝酵素活性を指標に実験動物(ラット)を用いて主に検討してきた。また、対象としている動物はラットにとどまらす、サラブレッドについて、トレーニング法の開発の一環と言う観点から、トレーニングの影響について検討している。
 また、最近では熱ショックタンパク質の研究も行っている。生体に熱ストレスを与えた時、細胞ではタンパク質の変性を防ぐために熱ショックタンパク質が発現する。筋萎縮を引き起こすような刺激(ラットに尾部懸垂を施すと姿勢を保持する時に働いている筋の萎縮が著しく起こる)を与える前にこの熱ショックタンパク質を発現させておくと筋の萎縮が抑制されることを報告した。
 現在、筋の萎縮を抑制する方法について、筋萎縮とストレスタンパク質ならびに酸化ストレスとの関わりについて調べている。
運動生化学研究室HP takahito@yamaguchi-u.ac.jp