線形代数を扱う

演習問題を行う前に 1-2. Mathematica を使うときの注意をよく読んでください.


内容

  1. 固有値、固有ベクトル
  2. グラムシュミットの直交化法
  3. 問題を解く
  4. 演習問題

固有値、固有ベクトル

行列 を定義します.

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を計算します。

入力
出力

m の行列式を計算します.

入力
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m の転置を計算します.

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m の逆行列を計算し、m1 と置きます.

入力

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mm1 をかけると、単位行列になることを確認します.

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m の固有値 k1, k2, k3 と固有ベクトル v1, v2, v3 を計算します.

入力
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上の固有値 ki (i=1,2,3) と固有ベクトル vi (i=1,2,3) は

を満たすので、これを横に並べることにより

を得る.よって

と置くことにより、

を得る.上式の両辺に v の逆行列を右からかけることにより

よって

となる.ここで、k は対角行列であるから

となる.よって を明示的な形で計算することが出来る.これを計算してみよう.
まず、

を定義する.

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次に を kn と置く.

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を計算し、mn と置く.

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mn の n に 1 を代入する.

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mn の n に 2 を代入する.

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n = 1,2,3 の時、mn が に等しいことを確認する.

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グラムシュミットの直行化法

グラムシュミットの直行化法とは、互いに独立なベクトル v1, v2, v3 が与えられたとき、このベクトルが張る線形空間の直行基底を求める算法である.
直行基底 u1, u2, u3 は次式で計算される.

ここで、 はベクトル uv の内積を、はベクトル u の2乗ノルム、すなわちを表す.
v1, v2, v3 を次のようにおいて、u1, u2, u3 を求めよう.

まず、v1, v2, v3 を定義する.

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u1 を計算する.

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を計算して簡単化する.

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上のベクトルを2乗ノルムで割って正規化したものを u2 と置く.

入力
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 を計算する.

入力
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上の答えを2乗ノルムで割って、正規化したものを u3 と置く.

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u1, u2, u3 が互いに直交することを確認します.

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入力
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 であることを確認する.

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 と置く.

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u が直交行列であることを確認する.

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問題を解く

この問題を Mathematica を用いて計算する.まず、(i) を解く.
先ほど行ったように、正規直交化にはグラムシュミットの直交化法を用いる.
具体的には、まず と置き、

を計算し、正規直交化基底 を求める.ただし、内積

で定義され、 は u の2乗ノルム を表す.
なお、Mathematica では f と g の -1 から 1 までの x に関する積分は

で計算される.それでは問題を解いてみよう.

まず、v1, v2, v3 を定義する.

入力
出力
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u1 を計算する.

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出力

を計算する.

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を正規化し、u2 と置く.

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を計算する.

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を正規化して、u3 と置く.

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u1, u2, u3 が互いに直交することを確認する.

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u1, u2, u3 が正規化されていることを確認する.

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次に(ii) を考える.Mathematica では f の x に関する k階微分は

で計算されます.
まず、を計算し、h0 と置きます.

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も同様に計算し、h1, h2 と置きます.

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出力
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出力
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h0, h1, h2 を正規化したものは、u1, u2, u3 に等しくなることがわかります.

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Jordan標準形

線形代数の最後の応用として、行列の Jordan標準形を計算する.まず、m を次のような行列とする.

入力
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m の固有値を計算します.

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固有値 2 が重複しているので、これに対する Jordan 細胞は 1x1 が2つあるか、2x2 が1つあるかのどちらかです.実際に Jordan標準形を計算します.

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Jordan標準形をを行列の形で表示します.

入力
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固有値 2 に対応する Jordan細胞は 2x2 であることがわかります.
であることを確認します.

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次に m1 を

と置きます.m1 の固有値を計算します.

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m と同じ固有値 2, 2, -1 を持っています.Jordan標準形を計算します.

入力
出力

Jordan標準形を行列の形に表示します.

入力
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今度は、固有値 2 に対応する Jordan細胞は 1x1 が2つあることがわかります.
であることを確認します.

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演習問題

次の問題を Mathematica を用いて解け

(1)次の行列を とするとき、を求めよ.

(a)

(b)

(2)上で求めた が正しいことを、n = 1, 2, 3 について確認せよ.

(3)次のベクトル v1, v2, v3, v4 が与えられたとき、このベクトルが張る線形空間の直交基底 u1, u2, u3, u4 を求めよ.

(4)上で求めた u1, u2, u3, u4 が正規直交基底をなすことを確認せよ.

(5)f と g の内積を次のように定義したとき、を正規直交化せよ.

(6)上で求めた基底が、正規直交基底をなすことを確認せよ.

(7)次の行列 のJordan標準形を求めよ.

(a)

(b)